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セミナー動画:よくわかる障害年金シリーズ

第八回:事後重症と遡級手続きについて

「よくわかる障害年金シリーズ」第8回目は障害年金の事後重症と遡級手続きについてお話させていただきます。

初診日から1年6月時点の障害認定日に障害年金が受給できるほどの症状でもなくても、その後症状が重くなり65歳までに障害基礎年金ならば2級まで、障害厚生年金ならば3級までに該当するようになれば、その時点で障害年金を請求することによって受給できるようになる事を事後重症と言います。

ところが、障害年金の事を知らなかった等のために障害認定日時点で障害年金を申請せずに経過した方などのために遡級手続きという制度があります。

具体的には障害認定日時点(初診日から1年6月から9月の間)の現症の診断書と現在の状況を表した診断書の2枚を提出することによって最大5年間分の障害年金額を受給することが可能になる制度です。

例えば平成23年3月が障害認定日の精神疾患の方が、平成28年3月に障害認定日の現症と平成28年3月時点の診断書を2枚提出し、障害認定日も現在(平成28年3月)も障害等級2級の障害基礎年金の裁定が決定したとします。

この方は過去5年分に遡って平成23年度額788,900円、平成24年度額786,500円、平成25年度額786,500円、平成26年度額772,800円、平成27年度額780,100円の合計391万4800円の年金額が支給されることになります。

なお、初診日が65歳前で障害認定日が65歳後の方は、障害認定日請求は行う事ができますが、事後重症は行う事ができません。

なお65歳を過ぎれば事後重症制度は適応しなくなります。

また老齢基礎年金の繰り上げ受給をされている方は繰り上げた年齢(例えば62歳から繰り上げ請求をすれば62歳)が65歳時点とみなされ、それ以降の事後重症請求はできなくなります。

つまり繰り上げ前に初診日がある方は障害認定日請求のみ行う事ができます。

事後重症とは?

初診日から1年6月経過した後でも、65歳に達する日の前日までに障害等級に該当すれば障害年金は支給される。

遡級手続きとは?

年金の受給できる時効は最大5年なので、障害認定日の診断書と現在の診断書の2枚を提出すれば最大5年間の障害年金を受給出来る可能性がある。

(例)

平成23年3月が障害認定日のうつ病の方で障害認定日と現在(平成28年3月)の

診断書を2枚提出し、どちらも2級の障害基礎年金の受給が決定した。

H23.78万8900円・H24.78万6500円・H25.78万6500円・H26.77万2800円

H27.78万100円の合計391万4800円の年金が受給できる。

*65歳を過ぎれば事後重症制度は適応できなくなります。

(老齢基礎年金の繰り上げ受給をされている 方は繰り上げた年齢が65歳時点とみなされます。)